これまで様々な角度から色について語ってきましたがここでは一風変わった考え方をお話しします。
色が人間に与える影響力は事実だと感じます。
だとすれば「日本人に合う色」というのもが存在するという考え方が有るはずです。
それは「肌の色」です。
現在多くの家庭で使われている白い壁紙は日本人には白すぎるというもの。空間が白すぎるとどこか落ち着かない。白は空間を広く見せる効果があります。映画などでも天国や電脳世界を演出する際に多く使われています。
そんな中で本能的なものなのか日本人にとっては自分の肌の色が目立つ感覚にとらわれてしまう。
周りの環境に溶け込めないことによって無意識に緊張してしまいリラックスできない。
よく真っ白な部屋に真っ黒な家具をたくさん使っているかたはそういった状況を中和させたいと感じているのかもしれません。

職人としての実感ですが有る程度成功を収めた方の家は要所要所でベージュの壁紙を使っている方が多いと感じます。
玄関、リビング、寝室、洗面、トイレなど自分が素になるところにベージュを使っていました。
だからと言って全ての部屋をそうするのではなく、遊び心を出したうえでポイントでそういった空間を作ってあるということです。

また、白以外にも注意したほうがよいと思う色使いがあります。
それは、暗めの色をメインにすること。
有るデザイナーズマンションでは少し暗めの淡い紫をメインの壁紙に使用していました。一見、個性的でかっこいいのですがやはり何となく部屋全体が暗めで住んでいる方も少し暗い感じの方が多かったと感じました。
その逆に、白系の壁紙を使用しているマンションなのですが部屋全体が明るく住んでいる方も朗らかな方が多いと感じました。
両方とも定期点検の現場で多くの世帯を拝見したのですがとても対照的でした。